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建造物

本堂

元禄十三年(1700)に桂昌院(五代将軍・徳川綱吉の生母)の寄進によって再建された。総ケヤキ造りの建物で、桁行七間、梁行四間の大きさで、内部は梁行に三分されている。中央間が内陣で、両横の脇陣が外陣の役割を果たしており、真言宗寺院の本堂としては特異な平面構造となっている。正面入口の梁上に「霊山鷲心(空海筆)」の扁額が掲げられている。

本堂の内陣には、正面の須弥壇上に仏師・運慶によって彫られた本尊・釈迦如来像が祀られている。35歳で悟りを開かれて80歳で亡くなられる45年間、インドの各地を説法して歩いておられる姿を彫った如来像である。したがって、顔立ちや着衣の仕方は他の如来像と異なっているのが特徴である。また、扁額に書かれた文字「霊山鷲心」が表現しているように、霊鷲山で般若心経を人々に説いておられる姿とも云われている。

本堂の東の脇陣には、西明寺で一番古い仏像である千手観世音菩薩像が祀られている。母親の慈悲深い姿を現わしている菩薩像である。古歌「世の中に 思ひはあれど 子を思ふ 思ひにまさる 思ひやはある」に歌われているように、母親の我が子を思う強い思いを以て、観音は人々をあの手・この手と使って救ってくださります。是非、「南無観世音菩薩」と一心に唱えてみてください。救いの手をさしのべて頂ける観世音菩薩像です。

本堂の東側の障子戸を開けると癒しの苔庭が現われる。左方側には白壁の土蔵が、右方側には苔むした自然石の上に置かれた宝篋印塔が静かに佇んでいる。前方の杉木立の山を借景にして、白壁に映える紅葉の美しさや苔庭を眺めながら、近くを流れる滝の響きに耳を傾けていると、心が癒されてくる。また、堂内からの眺めは額縁に入った二幅の絵画のようで、息が止まる美しさである。

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客殿

本堂左後方と短い渡り廊下で結ばれている。造営は本堂より古く、江戸時代前期に移築された。当時は食堂と称して、僧侶の生活や戒律の道場として使用されていた。前列二室、後列三室からなっており、前列南室には九ヶ条からなる「平等心王院僧制」の木札が掲げられている。

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聖天堂

元禄時代造営の建造物で、堂内には歓喜天が秘仏として祀られている。拝殿前に白幕が掛けられており、お供え物の大根と御団の紋が染められている。大根は夫婦和合・家庭円満を表し、御団は金運授与・商売繁盛をご利益として授ける歓喜天の誓願を表している。出る金に感謝しましょう。倍になって帰ってきます。「倍返りお守り」を買って歓喜天へお願いしてみては如何でしょうか。

聖天堂と本堂をつなぐ渡り廊下は古風な建物で、廊下から眺める苔庭の風景は格別の美しさである。また、四季折々異なる美しさを表わしている。

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表門

本堂と同じ時期に、桂昌院の寄進によって建てられた一間薬医門である。門前には苔むした石灯篭の傍に三本の老杉が植えられており、門をくぐり抜けた両側には槙の古木が植えられている。秋には、両翼の土塀の白壁に紅葉が美しく映えている。

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鐘楼

元禄時代造営の建造物で、月潭道澄(1636~1713)の銘文が刻まれている梵鐘が掛けられている。時を告げる鐘として、毎朝・毎夕に打ち鳴らされ、静寂の中、鐘の響きが周囲の山々に消えていく。大晦日の深夜には除夜の鐘として108回、打ち鳴らされる。

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電車でお越しの方

京都駅(JR・近鉄京都駅)
JR嵯峨野線~JR嵯峨野線花園駅下車 タクシーで約10分

バスでお越しの方

JRバス
JR京都駅前乗り場(中央口よりすぐ)で乗車、槙ノ尾で下車、約50分
「槙ノ尾」バス停より徒歩5分
※紅葉時期にあわせ同経路にて臨時バス増発予定
京都市バス
8番で、烏丸四条~四条大宮~天神川~福王子を経由、高雄で下車、約1時間。「高雄」バス停より徒歩10分

※当寺は駐車場がございません。
公共交通機関をご利用ください。

  • 075-861-1770
  • 槙尾山 西明寺 - Makinoosan Saimyoji -
    〒616-8291
    京都市右京区梅ヶ畑槇尾町1